
珠玉の作品集──と言い切る。収録点数も豊富で、画を大切にした丁寧な編集がなされている。大半の画に対し、作者の名倉靖博が改めてショートコメントを寄せているのも嬉しい。個人的には丸みのある綺麗な線の画には苦手意識があって、収録されている作品にはそういった傾向のものも多いのだが、どれも気に入っている(ペンシルのタッチが絶妙)。
以下、収録内容の一端を知ってもらう趣旨で、(勝手な)カテゴリー別に好みの画を挙げてみる──。
○“幻の企画”もの 「星を後に…」(p.020)
国際花と緑の博覧会のために企画された「星の王子さま」をモチーフとしたアニメーション用のイメージボード。そのタッチのままデジタルで動かしたかった、という。ほかに3点。
○“掘り出し”もの 短編コミック「バーレルセル」(p.106)
「ザ・モーションコミック」という徳間書店の雑誌(1984年10月号)から、8ページの短編を採録。主人公の男の子は、「とんがり帽子のメモル」のポピットの原型なのだそうだ。
○既成キャラクターもの 「Clover~クローバー」アートオブハローキティ(p.009)
ピンクのクローバーに彩られた超高層街(NY)の上空に、女の子を乗せたハローキティのバルーンが(イエロー!)。色使いが他の作品とはだいぶ異なる。同シリーズでほかに2点。
○手塚治虫ワールドもの 「無垢なる天使の目覚め」(p.034)
キャラクターデザイン・総作画監督などを担当した「メトロポリス」関連のイラスト(「ニュータイプ」掲載)。同作からはDVDジャケット、宣材イラスト、そして(修正)原画等も。
以上(…中心となる作風のものからは外れてしまったかも)。映像関連ではほかに、幻の劇場アニメーション企画「金魚姫のシャーベット」(設定資料、イメージボード12点)、コナミ・バオバブレーベルOVA「どんぐりと山猫」(イメージボード13点、セル画(に見えない!)16点等)が、ボリューム感のある構成で見ごたえがある。1ページだが、「お勢登場」(「RAMPO」)の絵コンテも。
発行はソフトバンク パブリッシング(価格2940円)。
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